« 入中同窓会@東京チーム vol.3 | ホーム | どんな資格や経験が求められますか? »

14 June

ボクはチープ革命に少しの可能性を求めてもいいんじゃないかと思う

最近のニュースについて、バアーっと思ったことを書いてみる。

秋葉原の殺人事件における総務相の対応として数億円をかけて掲示板に書き込む内容を分析し、犯罪につながる情報を管理しようとしているのだ。そのソフト開発には少なくとも数億円。

犯罪予告検知のソフト開発へ=来年度予算で要求-通り魔事件受け増田総務相(時事通信) - Yahoo!ニュース

増田寛也総務相は11日、インターネット上の犯罪予告を検知できるソフトウエアの開発費を、来年度予算の概算要求に盛り込む方針を明らかにした。同日開かれた、東京・秋葉原の通り魔事件を受けた再発防止のための関係閣僚会議終了後、記者団に語った。
開発が検討されるソフトは言語技術を応用し、違法・有害情報の検出精度を向上させるもの。通常とは異なる急激な書き込みの増加や、自殺や殺人予告などの 言葉を使った議論の流れなどを分析し、犯罪につながるような情報を認知できるようにする。業界関係者によると、ソフト開発には少なくとも数億円の費用が掛 かるという。

(総務省は来年度の予算に要求を出すといっていて、予算が認めてもらえなかったので1年先送り&複数企業による入札におなったようだが、ソース元が不明なためメモとして残しておく。情報が入り次第更新します。)


以前、東京テレビのなんかで、DeNA社のモバゲータウンを特集したときの番組を観たんだけど、基本的にモバゲーでは、売春・買春などの温床になることを恐れてか、モバゲーを使って人と人とが実際に会うことは禁止している。それに伴い、携帯電話やメールアドレスなどをモバゲーをつかったメール・掲示板などを相手に知らせることを禁止しているのだ。

これを規制するには、“090”といった対象となるキーワードをでシステム内で検索し、検索結果の対象となるユーザのメールや書き込みを削除しているのだが、もはやいたちごっごになっているようだ。いい例が“わらわ”。携帯電話で“090”と入力するボタンを見てほしい。日本語に直すと“わらわ”になる。こういったモバゲーユーザは隠語を使ってその規制から逃れていたのだ(当然いまはもうできないと思うけど)。日々変わりゆくサイト内の隠語を見つけていくのにはAI機能を搭載した超次世代型のシステムではなければ不可能だろう。実際のところ、DeNA社は人海戦術に出ている。サイト内に監視役のスタッフを配置し、隠語などあやしい内容のメールなどを見つけ1つ1つチェックしていく。こいった人間による目視での管理体制を数百人で行っているらしい。

そういったことを考えると、冒頭にあった総務省の作ろうとしているソフトというのは不可能に近いだろう。開発コスト、開発にかかる期間、運用コスト(天下りに使われるのかなぁ)が現実的ではないし、それだけの効果はあまりないのだと思ってる。が、ソフトウェアを構築しようとしているIT企業にも問題があるように思える。


増田総務相は別に悪くなくて悪いのはIT業界のほうだよね - 矢野勉のはてな日記

国のシステムとなるとたぶん大手のSI事業者に頼むのだろうけど、このシステムを大手SI事業者に頼んだら、たぶん要件定義だけで半年は余裕で使うし、下請けへの支払いと自分のマージンとその他もろもろ考えると、数億かかるのもほんとでしょう。

私もこの記事読んだときはプッという感じではあったのですが、すぐあとに結局この発言にプギャーとかいうのは技術者としては「そんなに必要ないのにそれが必要なこの業界への自嘲」なのであって、増田総務相が変なことをいってるわけではないということに気がついた。自爆してるだけだな私、と思った。そんなに金がかかるのはどっちかというとIT業界のせいでしょう。

総務省の考えている本来の思想は「こういった事件の再発防止」だ。これは共感できる。しかし、こういったものを具現化するシステムを作るSI事業者そのものに原因があるんじゃないかな。国のやること=たくさんのお金とってOKの雰囲気があるし、国のプロジェクト!ということで力が入りすぎじゃないのかな。そりゃ、お金と期間を費やせば素晴らしいシステムはできるが、お金を垂れ流してそれほどの効果もなかったら何の意味もないでしょう。

その中で、とても共感できる素晴らしいものを作った方がいる。矢野さとるさんだ。

犯行予告収集サイト「予告.in」公開 「0億円、2時間で作った」 - ITmedia News

矢野さんは11日夜、「増田寛也総務相が来年度予算の概算要求に、ネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費を盛り込む。費用は数億円かか る」という内容の報道を見て、「インターネットの仕組みを使えば、0億円で数時間でできる」と考え、実際に1人で2時間で作ったという。
報道にあったような、犯行予告を自動で検知するソフトの場合、関係ない情報を大量に収集してしまったり、検知をすり抜ける隠語が利用される――といった可能性があり、精度を高めるのが難しい。
矢野さんは「2chで犯行予告を探し、通報しているボランティアは多い。そういった“ネット上の良心”をリソースに、人手で探す人海戦術のほう が、より精度が高いだろう」と考え、CGM(Consumer Generated Media)型防犯システムを発案したという。
「最近は、ネットの悪い部分ばかり取り沙汰され、いい部分があまり出てこなくて悲しい。2chの住人の地道な活動などが、こういうツールやサービスを通じていい方向に使われれば」

この記事の内容に対してのこんな意見もある。

予告inへの過剰反応 - Core

この反応は何だろう・・・。
気持ち悪い程に「総務省はバカ」「このサービスで全て解決」の一点集中。

そもそも、さとるさんの作ったサービスと総務省が作ろうとしているサービスは違う次元のもの。さとるさんのサービスでは、無数にある掲示板をカバーしようとしているわけでは無い。例えば今回の秋葉殺傷事件の犯行予告に使われた携帯掲示板にはリーチできていない。

予告inは2chのスレタイトルベース*1で引っ張っているだけであり、それに意味が無いとは言わないが、作った本人は若干「ネタ」っぽい意味合いを持たせていると思う。

なので、本人を神格化して「国がさとるさんに何か報酬を与えた方がよい」「総務省が作ろうとしているサービスはもう必要なし」とまで言ってしまうのは行き過ぎであり、本人も少し当惑しているのではないか。



しかし、世界を見ればクレイグリストWikipedia など、インターネットユーザの正義感・ボランティア精神で成り立ち、確立しているものがいくつもある。もともとクレイグリストもWikipediaも個人の活動から始まったものだ。このチープ革命でもある「予告.in」も面白い方法へ進んでいってくれればいいなぁと。

政府機関や企業のような集中管理型ではなく、分散型の、かつインターネットユーザに任せたといったら語弊だが、少しくらいは希望を見出していいのではないのかと思う。


« 入中同窓会@東京チーム vol.3 | ホーム | どんな資格や経験が求められますか? »